こんにちは!こっさんです☀
IT業界に興味がある未経験者にとって、SESと自社開発のどちらが適しているかは重要なポイントです。SESは多様な経験を積みやすく、比較的入りやすい一方で、キャリアの方向性が変わりやすい特徴があります。
一方、自社開発は安定してスキルを深められるものの、未経験者にとっては競争率が高く、採用のハードルが上がります。本記事では、SESと自社開発の違いやメリット・デメリットを詳しく解説し、未経験者にとって最適な選択肢を考えていきます。

こんな人におすすめの記事です!
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SESと自社開発の違いを徹底解説

SES(システムエンジニアリングサービス)と自社開発は、どちらもIT業界で活躍できる働き方ですが、業務内容やキャリアの方向性が大きく異なります。それぞれの特徴を理解し、未経験者にとってどちらがスタートしやすいのかを見ていきます。
SESとは?客先常駐と派遣の違い
SESは、IT企業がクライアント企業にエンジニアを派遣し、システム開発や運用保守を行う働き方です。SESと派遣は混同されがちですが、契約形態や働き方には違いがあります。
SESでは、エンジニアは自社(SES企業)の正社員として雇用され、クライアント企業に常駐します。案件ごとに異なる環境で業務を行うため、多様な経験が積めるのが特徴です。一方、派遣は派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の指示に従う形となります。
客先常駐と派遣の違い
項目 | SES(客先常駐) | 派遣 |
---|---|---|
雇用契約 | 会社と正社員契約 | 派遣会社と契約 |
勤務先 | クライアント企業 | 派遣先企業 |
指揮命令系統 | 自社の上司 | 派遣先の上司 |
契約期間 | 案件ごとに変動 | 派遣契約に依存 |
SESは、短期間で様々なプロジェクトを経験できるのが魅力です。未経験者でも受け入れてくれる企業が多いため、最初のキャリアとして選ばれることが多いです。
自社開発とは? 社内で開発を行う企業の特徴
自社開発とは、自社で企画・設計・開発・運用を行い、自社の製品やサービスを成長させる企業のことを指します。クライアントの要望に応じて開発するのではなく、自社のビジョンに基づいてプロダクトを改善していくのが特徴です。
自社開発企業の特徴
- 自社製品・サービスの開発:長期的な視点でサービスを改善し続けます。
- チームでの開発が中心:エンジニア同士で協力しながら開発を進めます。
- 最新技術を活用しやすい:自由度が高く、新しい技術を導入しやすいです。
- 長期的なスキルアップが可能:特定の技術に深く関わることができます。
自社開発では、開発だけでなく設計や運用にも関わる機会が多いため、一つの分野を深く学びたい人に向いています。ただし、即戦力を求める企業も多く、未経験者が挑戦するには学習とポートフォリオの準備が必要となります。
未経験者が入りやすいのはどれか?
未経験者が最初に就職しやすいのは、SESと自社開発で異なります。どちらが適しているかを判断するために、以下のポイントを押さえておきましょう。
未経験者の就職しやすさ
- SES
求人数が多く、研修制度が整っている企業も多いです。未経験でも採用されやすいです。 - 自社開発
企業の競争率が高く、一定のスキルや経験を求められることが多いです。
SESは、未経験者でも受け入れられる機会が多いため、IT業界に入りやすい選択肢です。一方で、自社開発は未経験採用枠が少なく、しっかりとしたスキルを持っていないと選考を突破するのが難しいです。
SESと自社開発のメリット・特徴

SESと自社開発は、それぞれ異なるメリットがあります。ここでは、それぞれの働き方の利点を詳しく見ていきます。
SESの利点は多様な経験と転職のしやすさ
SESの最大の魅力は、多くのプロジェクトに関われることと、転職しやすい点にあります。
SESのメリット
- 様々な技術に触れられる
自社開発による開発言語に依存しないため、異なる現場様々な業務を経験することができ、技術の幅が広がります。 - 未経験でも挑戦しやすい
会社単位のチームで案件に参画している企業も多いので、実務経験がなくてもフォロー体制の整った現場で作業ができます。 - 転職市場での需要が高い
経験を積んだ後は、より好条件の企業に転職しやすいです。
SESは、キャリアのスタートとして最適であり、短期間で多くの経験を積めるため、その後の選択肢も広がります。
自社開発の利点・戦略【スキルアップしやすい vs 競争率が高い】
自社開発は、長期的なスキル向上が見込める点が魅力ですが、採用の競争率が高いです。
自社開発のメリット
- 技術を深く学べる
長期的に関わることでアーキテクチャの理解が深まり、パフォーマンス改善や技術負債管理のスキルが身につきます。 - 最新技術を取り入れやすい
技術選定の自由度が高く、PoCを行いながら新技術を導入しやすい。社内の技術文化が強いことも多いです。 - 開発の自由度が高い
エンジニアの意見が反映されやすく、長期的な視点で開発を進められるため、技術的負債を抑えながら品質向上が可能です。
ただし、自社開発の企業は即戦力を求めていることが多く、未経験から転職する場合は難易度が高いといえます。ポートフォリオなど自身の能力を示すアプリを準備しておくことが重要です。
未経験プログラマーにとっての最適な選択肢とは?
未経験でプログラマーに転職する場合も、希望のキャリアプランや理想の働き方があると思います。理想のキャリアプランに対して、SESと自社開発が適しているかどうかを以下の表にまとめたので参考にしてみてください。
選び方のポイント | SES | 自社開発 |
---|
IT業界に早く入りたい | 求人が多く、未経験からでも参入しやすい | 比較的難易度が高く、経験やスキルが求められる |
専門性を深めたい | 様々な現場を経験できるが、特定分野の深い知識は得にくい | 長期的に同じプロダクトに関わり、専門スキルを磨ける |
安定した環境を重視 | プロジェクトごとに環境が変わることが多い | 組織が安定しており、長期的な開発が可能 |
多様な経験を積みたい | 様々な業界や技術に触れる機会が多い | 特定の分野に集中してスキルを伸ばす環境が整っている |
SES・自社開発どちらを選ぶべきか?判断基準

SESと自社開発それぞれの良さや特徴があると説明しましたが、自身がどのようなエンジニアになりたいかであったり、どんな働き方をしたいかという観点からどちらが適しているのかを選択することができます。
安定志向なら自社開発、スキル重視ならSES
SESと自社開発のどちらを選ぶかは、個人のキャリアプランによります。安定した環境でじっくりスキルを高めたいなら自社開発が向いており、多様な経験を積みながらキャリアアップしたいならSESが適しています。
選択基準 | 自社開発 | SES |
---|
安定性 | 同じプロジェクトに長く関われるため、じっくり成長できる | 様々な現場を経験するため、環境の変化が多い |
スキルの幅 | 特定の技術に深く携われる | 多様な技術を習得できる |
収入の安定 | 給与が一定で長期的なキャリアを描きやすい | 案件によって収入が変動することがある |
転職のしやすさ | 限られた技術領域での転職が多い | 短期間で多くのスキルを習得し、選択肢が広がる |
実際に未経験からSES・自社開発した人の体験談
未経験からSESや自社開発に進んだ人の事例を紹介します。
未経験からSESに転職したAさんの例
Aさんは文系出身でIT未経験でしたが、研修制度が整っているSES企業に新卒で入社しました。最初はテスト業務からスタートし、徐々に開発業務に携わるようになりました。2年後には転職し、よりスキルを活かせる職場に移ることができました。 note(ノート)
未経験から自社開発に転職したBさんの例
Bさんは独学でプログラミングを学び、ポートフォリオを作成しました。その後、競争率の高い自社開発企業に挑戦し、スキルをアピールすることで内定を獲得しました。 note(ノート)
未経験からIT業界への転職を成功させるためのポイント
未経験からSESや自社開発の企業へ転職するには、しっかりとした準備が必要です。IT業界はスキル重視の傾向が強く、経験がない状態では応募できる企業が限られてしまうこともあります。しかし、適切な学習やアピール方法を工夫すれば、未経験でも転職を成功させることは十分可能です。ここでは、転職を成功させるための具体的なポイントを紹介します。
1. 基礎スキルを身につける
IT業界で求められる基本的な知識や技術を身につけることが重要です。特に、プログラミングの基礎を学ぶことで、企業の採用担当者に「実践的なスキルがある」と判断してもらいやすくなります。
- 学習すべきスキル:Python、Java、JavaScript、SQL などのプログラミング言語
- 学習方法:オンライン学習サイト(Progate、Udemy)、書籍、プログラミングスクールなど
- 実践的な取り組み:簡単なアプリやツールを作成し、コードの書き方を実践的に学ぶ
2. ポートフォリオを作成する
未経験者が技術力をアピールするためには、ポートフォリオの作成が効果的です。企業側は実績を重視するため、「どのような技術を使えるのか」「どんな開発経験があるのか」を具体的に示せるものを用意すると良いでしょう。
- ポートフォリオに含めるべき内容
- 自作のアプリやWebサービスの紹介
- GitHubや個人ブログでの技術的なアウトプット
- コードの工夫点や開発過程の説明
- おすすめのポートフォリオの種類
- Webアプリケーション(タスク管理アプリ、ブログサイトなど)
- API開発(簡単なデータ取得APIを作成)
- データ分析プロジェクト(Pythonを使ったデータ解析)
3. 業界の情報を収集する
SESと自社開発では働き方や求められるスキルが異なるため、自分に合った企業を選ぶためには業界の情報収集が欠かせません。転職後に「思っていたのと違った」と後悔しないためにも、事前にしっかりとリサーチしましょう。
- 情報収集の方法
- 企業の採用ページやエンジニアブログを読む
- ITエンジニア向けのコミュニティ(Qiita、Zenn)で情報を得る
- SNSやYouTubeでエンジニアの働き方について学ぶ
- チェックすべきポイント
- SESか自社開発かの違い(キャリアの積み方、スキル習得のしやすさ)
- 企業文化や成長環境(エンジニアの育成制度、開発環境)
- 業界全体のトレンド(使用される技術、求められるスキル)
4. 転職エージェントを活用する
IT業界未経験者の場合、転職エージェントを活用することでスムーズに転職活動を進められます。エージェントは企業とのつながりを持っており、未経験でも採用してもらいやすい企業を紹介してくれることがあります。
- 転職エージェントを活用するメリット
- 未経験者向けの求人を紹介してもらえる
- 履歴書・職務経歴書の添削や面接対策をしてもらえる
- IT業界に詳しいアドバイザーからアドバイスが受けられる
- おすすめのIT業界向け転職エージェント
- レバテックキャリア(エンジニア向け専門エージェント)
- マイナビIT AGENT(未経験者向けの求人が豊富)
- Geekly(IT業界特化型でサポートが手厚い)
SES会社を選ぶときの注意点

SESを基本的な業態としている会社の中でも、準フリーランス的な働き方の会社と固定給型の形態をとっている会社の2パターンに大きく分けられます。同じSESの働き方であっても、会社の仕組みに関しては大きな違いがあるためよく理解したうえで選択することが重要です。
以下は、準フリーランス型と固定給型の会社の特徴やメリットデメリットについて解説しています。
準フリーランス型の特徴とメリットデメリット
正式名称は特に統一されていませんが、以下のような呼ばれ方をすることが多いです。
- 案件選択型契約
- 業務委託型SES
- 準委任契約型エンジニア
- フリーランス型SES
自分ら案件を選択することができ、案件の単価に対して会社で決められた還元率の分だけ給与として支払われる形になります。事務作業や案件先とのやり取りを自分で行わなければならないフリーランスとは違い、事務作業や営業活動は会社側が行ってくれて福利厚生も整っている代わりに、単価の一部は会社側が受け取るため単価満額が貰えないという形になります。
メリット・デメリット
メリット
・営業が獲得した案件の中から自分のやりたい案件を選択することができる
・単価が高額になればその分還元される額が増えるため、収入が大幅に増えることもある
デメリット
・案件が見つからず待機となった場合は、給与が減ったり、賞与に影響する場合もある
・同じ会社の中でチームとして参画できる確率は低く、一人で案件に参画するケースが多い
準フリーランス型は、単価が収入に直接反映される点や案件を好きに選べるという点からモチベーションにも繋がりやすい一方で、未経験や経験浅の場合は注意すべき事項があります。
未経験・経験浅の場合の注意点
案件が決まらないこともある
準フリーランス型のSES会社の仕組みの話になりますが、企業としてすぐに入ることが出来る案件を沢山保有しているわけではなく、Aというエンジニアの経験値や能力に対してほしい・気になるという案件先がいれば面接に繋がるという形がほとんどのため、案件先から声がかからなければ面談に進むことが出来ず案件が決まらないなんてこともありえます。
入りたい案件に必ず入れるわけではない
言語やフルリモートなど、こんな案件に入りたい!という条件が誰しもあると思います。入りたい条件の案件が参画時期にちょうどあるとも限らず、案件先の欲しい人物像に結びつかない場合はマッチすることが出来ないため、自分の希望には合っていない案件に入らなければならない場合もあります。
準フリーランス型の企業は、入りたい案件に参画できるという点を売りにしている手前、エンジニア側の希望が通らなかったり、待機の期間が多くなりそうな可能性のある未経験や経験浅のエンジニアは募集要項に含めないところがほとんどです。
募集要項に開発経験半年以上や、工程問わず経験1年以上など、目安の経験が記載されているためよく確認して応募するようにしましょう。
固定給型の特徴とメリットデメリット
一方で固定給型は一般的なSESの正社員契約に相当し、以下のような呼ばれ方をします。
- 正社員型SES
- 常駐型SES
- 固定給SES
案件選択の自由度は企業によってまちまちで、複数の案件から希望することができることもあれば、特定の取引先の案件に同じ会社のチームとして参画する場合もあります。年齢や勤続年数で給与テーブルが決まっており、一般的な会社員のようなイメージになります。
メリット・デメリット
メリット
・待機期間があっても給与が保証されており、毎月の給与が安定している
・案件に参画する前に研修を行っていたり、スキルアップに対する補助が手厚い
デメリット
・市場価値より給与設定が低くなることがある
・自分の入りたい案件に入れるとは限らず、キャリアプランどおりにならないことがある
未経験や経験が浅い場合でも経験者と一緒の案件に参画することができたり、フォロー面では安心はできますが、単価と給与の結びつきが大きくないため給与が大幅に上がりにくいことが懸念点でもあります。
まとめ

SESと自社開発の違いや、それぞれの良さについて解説しました。自身の希望するキャリアプランによってどちらが適しているかを判断することができるため、どんなエンジニアになりたいかやどんな働き方をしたいかという点を今一度分析することがとても重要です。
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